ゼミ録
今回は、PrPにGFPくっつけた融合蛋白の論文ニ報。(両方同じヒト)
GFP-tagged prion protein is correctly localized and functionally active in the brains of transgenic mice.
Barmada S, Piccardo P, Yamaguchi K, Ghetti B, Harris DA.
Neurobiol Dis. 2004 Aug;16(3):527-37.
ポイント
GFPをC端にくっつけたPrP-EGFPの生体内動態。
PrP-EGFPと内因性PrPをヘテロに発現するトランスジェニックマウスを作ったよ!
で、いろいろ調べた結果、PrP-EGFPはPrPと似たような動態を示してるみたいだっていうこと。
穴:プルキンエ細胞へのPrPの局在が全くなくなっとる。
しかもそれをシグナルで説明しようとしよる。そりゃいかんばい。
Visualization of prion infection in transgenic mice expressing green fluorescent protein-tagged prion protein.
Barmada SJ, Harris DA.
J Neurosci. 2005 Jun 15;25(24):5824-32.
ポイント
GFPをC端にくっつけたPrP-EGFPの動態。
免疫共沈の結果からしても、PrP-EGFPはPrPScと結合はできるけど構造転換を起こさないような性質になっている。
PrPCとScの結合にはC端のドメインが重要なので、C端側にデッカイ蛋白がついてるのにくっつくのはけっこう意外。
で、C-Scの結合を利用してScの局在を知ることができる。
Scを特定する免疫染色は、固定の条件がシビアなために細胞内小器官が壊れちゃって、生体のを反映してるとも限らない。
GFPの発光を検出してみると、驚いたことにゴルジマーカーであるGiantinとのコローカライズが確認された。
→Scがゴルジにたまっている…?サイトゾルからレトロトランスポートされたと考えるのが自然かな?
穴:GFPの光は酸性下では弱くなる→Scが局在すると考えられてる酸性エンドソームはどうかな?
:細胞内に何らかのクエンチャーの存在が無視できない。